Choose Language!

Monthly archive 2017/02/19 12:14
FAN3参加日誌〜まとめ〜

FAN3参加日誌〜まとめ〜

2017年1月12日〜18日までの1週間、インドのMunbai、Pune、Kochiの3箇所を移動して、3度目の開催となる「FabLabAsiaNetworkカンファレンス:FAN3」が開催されました。 その様子を写真と文章で紹介させていただきます。 1日目:FAN3参加日記〜Mumbai編〜 2日目:FAN3参加日誌〜FabLabの原点、Puneへ〜 3日目:FAN3参加日誌〜インド最大のMakerのお祭り「Maker Mela」〜 4日目:FAN3参加日誌〜MunbaiのMakerSpace〜 5日目:FAN3参加日誌〜Kochiセッション〜 6日目:FAN3参加日誌〜FabLab KeralaとインドのFab教育〜 インドの西海岸を、北から南まで旅しながらのカンファレンス。 インドの気候、雰囲気、熱気を感じつつ、1週間歓迎ムードの中とても良い時間を過ごすことができました。 インドのFab文化のこれから、目が離せません!
FAN3参加日誌〜FabLab KeralaとインドのFab教育〜

FAN3参加日誌〜FabLab KeralaとインドのFab教育〜

これでFAN3の全日程は終わりですが、もう1箇所、FabLab Keralaに向かいました。 FabLab Keralaは、Fabのスキルがビジネスに生きると確信し、政府がサポートして作られたLabです。実際に、ここFabLab KeralaでFabAcademyをローカライズした、FabAcademyXのプロルラムを開発中でした。 ラボは、アメリカから輸入した機材でぎっしりと埋まっており、機材、ソフトウェアだけでなく、木材や、電子部品、その他型取りの材料など、マテリアルのストックも非常に充実していました。   インドでは、今まさにMakerMoovementが盛り上がっており、FabAcademy2017の参加者数は、インドだけで43人参加しています。 興味深いことは、この43人の受講生の多くは、企業や個人、行政、財団などからスポンサーとして受講費をサポートしてもらって受講しているという点です。 それだけ、FabAcademyの卒業生に可能性と将来性を感じているのだろうと感じました。 12日〜17日という長い時間でしたが、インドの西海岸の3都市を渡りながら、それぞれのFabLabの取り組みを通して様々なことを感じました。 そして、適正技術、ビジネス、人材開発、教育。 これらの要素のバランスを少しづつ変えながら、それぞれのLabが工夫している姿を見ることができました。   ネットワークに参加するFabLabだけでなく、HackerSpace、MakerSpace、企業が、一丸となってインドを盛り上げようという熱を感じることができ、非常に意味深いイベントでした。 簡単ですが、FAN3の報告とさせていただきます。
FAN3参加日誌〜Kochiセッション〜

FAN3参加日誌〜Kochiセッション〜

さぁ、空港に移動してKeralaに向かいます。 Kerala空港では、到着した飛行機から荷物をトラクターが運んでいました。 空港には自動小銃を持った警備員がたくさん立っており、緊張した雰囲気でした。 Keralaに着いたのは暗くなってからでしたが、ホテル周辺を少し散策すると、観光客向けの四つ手網漁を見学できました。   新しい土地を訪問して、忘れてはいけないのがホームセンター訪問。 インドのホームセンターはこんな感じ。 ここでは鶏よりもヤギの肉を売るお店が多く目につきました。 とても美味しそうなパンを焼くお店も。 この味は日本人も大好きな味! 頭隠して尻隠さず。 道には多くのヤギが歩いていました。 PortLandのRebuilding Centerのような中古建材を売るお店。 ドアとか窓とかちょっと買って帰りたいものが多くありました。 ここがKeralaでのFAN3の会場。   最寄りのFabLabであるFabLab Keralaがオーガナイザーとなって会場の準備がされていました。FabLab Keralaは政府がサポートするFabLabです。 まず目に入ったのが竹でサッカーのゴールを作る青年。   この会場はもともとコーヒー豆を挽く工場だったそうです。なので、このホールの名前も「Mill Hall」となっていました。 イベント中は、メイン会場でプレゼンテーションが続きます。 MCの女の子はノリノリで、最後にはゲーム大会が催されました。 外では様々なラボが持ち寄った制作物を展示。 ココナッツ割機、伸び縮みする杖など「発明品」が目立ちます。 上下に飛び跳ねるような運動を、タイヤの回転に変換する画期的!?な自転車。 現地のベンチャー思考の方々も出展されていて、VRを使ったゲームや、新しいガジェットを使った展示を積極的におこなっていました。 会場から少し離れますが、トディというココナッツから作られるお酒があると聞き、探したところ会場のある市の隣の市でトディショップと呼ばれる場所があるということで足を伸ばしました。 インドでは人目のつくところでお酒を飲むことはあまり好まれないようで、道路脇の小さな薄暗い小屋のお店でした。すでに中では3人ほどの現地の方がしんみりとやっていました。 奥にあるのがタピオカを炊いたもの。出されたトディには不純物が含まれるようで、網でこして注ぎます。 外国人は珍しいようで、取り囲まれてしまいました。。。。その後、一緒に飲んで仲良くなりました。 これがトディの製造工程。。。。と言って紹介されたのはこのプラスチックゴミ箱。 できたトディは、瓶に詰められ保存されます。 お土産までもらい、トディショップを楽しむことができました。 会場に戻ってくると、最後に盛大なドラミング。 かなり白ちょくがありました。 今回、会場となったKochiではこの時期トリエンナーレが開催されていました。 この地域は昔からアーツ&クラフツの運動が活発らしく、街のあちらこちらでアートを楽しむことができました。 一番気に入ったのはこの壁画。矢が壁の穴に刺さっています。 最後にみんなで街を歩き、アートを楽しみます。 ピラミッドまで作ってしまうとは。。。 青空の元、ゆっくりとお絵描き。いいなぁー。 これでFAN3の全日程は終わりですが、もう1箇所、FabLab Keralaに向かいました。
FAN3参加日誌〜MunbaiのMakerSpace〜

FAN3参加日誌〜MunbaiのMakerSpace〜

3日目はMunbaiの3Dプリント出力サービスの会社と、MunbaiにあるMakerSpaceを見学し、空港から飛行機で次の地Keralaに移動です。 まずは3Dプリントサービスを提供する会社「Think3D」を訪問。 ここは世界各地から3Dプリントサービスの注文を受付け、出力する会社です。 最初にミーティングルームで説明を受けます。   参加者からは、「機材があればどこでもできるサービスなので、もっと人件費の安いところでやった方が良いのでは?」、「他のサービスと違う強みはなんなんですか?」というような質問が多かったように多います。 この会社はジュエリーに強みを持っており、現地のジュエリー職人を多く雇用しているのが強みだということです。 確かに、現状の3Dプリンタは複雑な後処理を求められます。最終的なクオリティも、3Dプリンタの精度に加えて、職人の後処理の技術が大きく影響することを考えると納得できました。   社内は大きく二つのエリアに分かれており、一つは3Dプリンタがズラリと並ぶエリア。 もう一つは、職人が前処理、後処理を行うエリアです。 社員も多く、とても活気のある会社でした。 その会社のすぐそばにあるMakerSpace「Maker’s Asylum」です。 このMakerSpaceは先に訪問したThink3Dが運営しているそうです。日本でも3Dプリント出力サービスを行う会社がMakerSpaceを運営しているのと同じですね。 中はちょっとごちゃっとしていますが、平日の昼間にも関わらず多くのメンバーの方を見かけました。 海外のhackerspaceやFabLabを数多く訪問しているようで、様々な工夫がされていました。   さぁ、空港に移動してKeralaに向かいます。 Kerala空港では、到着した飛行機から荷物をトラクターが運んでいました。 空港には自動小銃を持った警備員がたくさん立っており、緊張した雰囲気でした。
FAN3参加日誌〜インド最大のMakerのお祭り「Maker Mela」〜

FAN3参加日誌〜インド最大のMakerのお祭り「Maker Mela」〜

そんなこんなで2日目のVigyan Ashram訪問は終了。続いて3日目はMunbaiで行われたMaker Melaに参加。 まず目についたのがMaker Autoという3輪式の移動MakerSpace。リキシャと呼ばれるインド中で走っている車両を改造したものです。荷台には、各種工具と折りたたみテーブルを積み込んでおり、各地に行って子供向けのワークショップを開催する予定だということです。 とてもコンパクトに積み込まれており、完成度は高かったです。日本でもこの車両が公道を走れると面白いなと思いました。 会場では、MakerSpaceの出展も目立っていました。インドでもMakerSpaceは増えてきているようです。コワーキングスペース、共同工作機器、低年齢向けのMakerクラスの運営で回してくモデルが定着してきたことを確認できました。 多くの展示がある中、気になったのが光る細菌のプロジェクト。いろいろと聞きたいことがあったのですが、詳しいことは秘密だと言われてしまい少し残念です。 Maker Melaのイベントの中で、第4回目のFabLab Asia Network、FAN4の開催場所の発表がありました。次回はベトナムです! ベトナムも国内に数カ所のFabLabが存在し、活発に活動しているようです。 フィリピン、台湾、インドと行われた3回の会議は、主催者によって国の文化や状況などを知ってもらう工夫がたくさん組み込まれていました。開催地決定のプレゼンの中で、ちょっとワクワクするような写真が映し出されました。 これは楽しみですね! そして、Maker Mela最後は踊り倒して終了。みんな若いのもあってすごい熱気でした。 途中で抜けようとしても、なんども連れ戻され。。。インドの洗礼を受けた気がしました。 ちょっとインドの列車の様子を紹介。 よくテレビで見ていた、ドアの無い電車。実際に体験してみましたが、想像以上に危険でした。。。電車へ飛び乗ること、ドアから身を乗り出すこと、屋根に登ることはしないようにしようと身をもって学びました。 Maker Melaの出展ブースの準備の様子。 ブースの骨組みは竹で組まれていました。その肉厚が厚かったのが気になりました。 場所が違うと、手に入るマテリアルも違うなぁと。
FAN3参加日誌〜FabLabの原点、Puneへ〜

FAN3参加日誌〜FabLabの原点、Puneへ〜

2日目は早朝まだ暗いうちに集合し、貸切バスに乗ってFabLab発祥の地「Vigyan Ashram」を目指します。 バスでおよそ2〜3時間かかるよと言われておりましたが、休憩含めて4時間ほどかかって目的地に到着しました。 到着すると、大勢の方にドラムやチャイやお清めの儀式(?)で盛大におもてなししてもらいました。20年ほど前に中国の山村に行った時、大きな爆竹でおもてなししてもらったのを思い出しました。 頭には白い帽子、おでこに赤い染料をつけてもらい、無事に入村を許されました。 入り口の脇にポツンと立っていたこの建物。ここがFabLabゼロとも呼ばれる最初のファブラボです。創始者の方は亡くなってしまいましたが、現在も当時の間取りのまま村の中心施設として使われていました。 (なんとなくですねぇ、建物だけで言えばFabLab浜松も似たような雰囲気が出ているなぁと思ったわけです。) この村は、全体としてサステイナブルな生活を目指して設計されており様々な工夫があちらこちらに施されています。 まずはトイレ。 男性用トイレしか見られませんでしたが、屎尿は全てタンクにつながっており、回収されます。 日本で汲み取り式のトイレというと、まず臭いイメージがありますが、ここでは臭いはあまり気になりませんでした。 大きい方は確認し忘れてしまいました。。。 集められた屎尿、そして飼っている家畜の糞尿、さらに生活から出る生ゴミはこのタンクの中に貯められて微生物の力でバイオガスを生成しています。 ここで作られたバイオガスは、村の中で煮炊きに使われているそうです。 村の周辺をあたりを案内してくれているとき、ごみ捨て場のようなところを案内されました。そこには金属の破片が積まれていました。ここに集められているものは、これまでの数多くのプロジェクトの残骸だそうです。 「これらは失敗作だ」と笑って紹介されたことに、失敗に対する前向きなイメージを持っているんだなと感じました。 僕が、この中で一番関心したプロジェクトです。 大型のソーラークッカーです。関心した点というのは、これだけ大きなものを形にしたという点、パラボラの曲線が綺麗に再現されていた点、そして、そこでコンデンスミルクを作って街に売りにいくというビジネスモデルを作ろうとしているという点です。 また、この中心に置かれた装置は、ソーラーバッテリーで発電してモーターを回してミルクを絶えずかき混ぜる装置です。コンデンスミルクを作るためには、焦げ付かないように長時間加熱しつつ、かき混ぜ続ける必要があるのですが、このソーラークッカーはその両方を太陽熱から得たエネルギーでこなしてしまおうという点にも関心しました。 と、思って隣に置かれているものを見てみると、さらに大きなソーラークッカーが、、、 こちらは現在建設中のものだそうで、料理などを行いたいと話してくれました。 村のあちこちには数多くのプロトタイプの数々、、、たくさんありすぎて全てのプロトタイプの詳細を聞くことはできませんでした。 これは雑草とりの道具だそうです。 電源のないところで携帯を充電するための発電装置。 これは「3 Idiots」というインド映画の中で使われたバイクです。映画の中でも発明村が登場し、そこで作られた面白バイクという設定で登場しました。 こちらでは、廃材を利用して日用品を作ろうというプロジェクト。ペットボトルを使った卓上掃除機や、ライターを使った持ち運びできる半田ごてなどなどを紹介してもらいました。 ヤギもいます。 最小の資源で、最大の空間を確保するというジオデシックドーム。フレームの素材は鉄のアングルで出来ています。中では最小の水資源を効率良く植物に届ける点滴灌漑や、温度の調整のためのファン、気温センサが配置されていました。 農業のプロジェクトで、もう一つ目を張るものがあったのが「アクアポニクス」の実験場。棚田のようにも見える段々に形成された水耕栽培の池と、一番下にある魚の泳ぐ大きな池で構成され、最下部の水を上までポンプで汲み上げて水を循環させています。 アクアポニクス自体はDIYのプロジェクトの定番としていろいろな例をみますが、ここまで大きなスケールで実験しているのは初めてで驚きました。 Vigyan Ashramではお昼も頂きました。とても美味しい「カレー」でした。 この写真は、食後の片付けの様子なのですが、残飯、洗った水も貴重なバイオガスの資源になるので丁寧に洗います。ここで僕は水道を出しっぱなしにして洗っていたら止めるように怒られてしまい、普段いかに水について気にせず生活していたか恥ずかしい思いをしました。 なんだか、小学校の時の林間学校にも似た体験でした。 もちろん、こういった所を訪問した時には、HackerSpacePassportにもスタンプをもらうのを忘れずに! バイクの動力でコンプレッサーを回し、酸素を発生させるマシンです。治療の時に酸素があると良いが手に入らないという時のために、Pune各地に置きたいということでした。 どこかで見たことのあるものが、、、、と思ったらやっぱりHACKberryでした。女性二人のチームで3Dプリンタを使った義手を作っていましたが、日本で生まれたプロジェクトが海を越えてインドで作られていることに非常に感動しました。 オープンソースプロジェクト、FabLabの意義といった所で非常に素晴らしい事例だと思います。 バスからの風景。草原のところどころにテントの集落がたくさんあることに驚きました。 牛、豚を食べないインドで、鶏は貴重なタンパク源となる食材。このお店の光景はかなりきつかったです。常に命を食べて生きているんだなぁと。食品パックに入った肉しか知らない生活と、この光景。どちらが健全なのかなぁと複雑な気持ちでした。
FAN3参加日記〜Mumbai編〜

FAN3参加日記〜Mumbai編〜

2017年1月12日〜18日までの1週間、インドのMunbai、Pune、Kochiの3箇所を移動してFabLabAsiaNetworkカンファレンスが開催されました。 その様子を写真と文章で紹介させていただきます。 最初に行われたラボレビュー。 参加したアジアのラボが、近況を報告し合います。 各国から集まるだけあり、各ラボのプレゼンテーションには力が入っています。 次に行われたのはワークショップ。台湾からドキュメンテーションについてと、ファブラボでどうビジネスにつなげていくかというノウハウについての2つのセッション。インドからVRを体験するセッションと、マイコンボードの使い方に関するテクニカルなセッションの4つが行われました。 この時点で、イベント全体のプログラムというプログラムが提示されておらず、みんな手探りで参加という感じでしたが、その分交流が生まれて結果的には良かったです。 Munbaiでは、このオープニングイベントの次の日からの2日間で「Maker Mela」というインド最大のMakerイベントが行われることになっていました。 ワークショップの後で、MakerMelaのオープニングイベントが開かれるということで待っていると、見慣れないデザインの椅子や儀式の道具、花などがステージ上に運ばれはじめ、ついに始まりました。